キャリアの逆説
自分の未来をどう作っていくのか?人生100年時代を迎えるなか、自分の長い人生をどのように心身ともに豊かに満たしていくか、悩ましい。戦略的に設計できるのか、偶然に任せるしかないのか?日々、会社や顧客のために忙しいなかで、後回しにされる自分の人生をどう考えたらいいのでしょうか?いよいよ年末です。この節目にぜひ考えてみてください。
徳岡 晃一郎
2025.12.21
読者限定
衝動か、計画か?
哲学者で京都市立芸術大学で教えられている谷川嘉浩先生の著書「人生のレールを外れる衝動のみつけかた」(ちくまプリマ―新書、2024年)に出会いました。主として中高年のキャリアの未来の可能性をテーマにしている私としては、とても興味をそそられるタイトルであり、実際、私のキャリアに対する考えととても符合しており、膝を打ちました!
谷川さんによれば、「自分の内面を見つめて、本当の自分の思いを見出だし、それを実現するために人生をデザインしていくキャリアデザインなんてありうるのか? むしろ人が自分を動かす動機は衝動ではないか。居ても立ってもいられない、つい体が動いてしまう衝動が人生を作っていくのではないか」とのこと。いまやキャリアを考えるときには、自分を見つめ、自分の中から真にやるべきことを見出し、ビジョンとして設定しそこをめがけて自分をアラインし、予定調和的に行動するような一直線型のキャリア観が多くの研修などで指導されています。特に若い人たちからそういう訓練を受けている傾向があり、それに耐えられないで「ドリームハラスメント」(高部大門氏)という言葉も生まれています。夢を持て、夢を持てと言われ過ぎてつぶされてしまう、そんな現象です。