遊ぶ鉄工所 --- ヒルトップにみる日本的イノベーターシップの本質
日本のモノづくりを新たな次元へ引き上げている企業がある。伝統と革新を地で行く企業の宝庫である京都の中堅企業だ。野中先生も取り上げたSECIモデルを回して、高付加価値経営を実現した驚きの経営に触れてきました。
徳岡 晃一郎
2026.02.07
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瀕死のモノづくり
いま、日本のモノづくりは歴史的岐路にある。 中国の台頭は確かに脅威ではあるが、より深刻なのは自らの内側から静かに衰弱していく構造だ。下請け構造、量産品の低価格競争は、まるでタコが自分の足を食べて生き延びようとするような、いわば“自傷的モノづくりシステム”であることは以前から指摘されてきた。そこでは、腕を磨き未来をつくるはずの職人が、日々の生産に追われ、卓越さとイノベーションに磨きをかける余白すら失っていく。
そのようなこれまでの筋の悪い構造に急速に追い打ちをかけているのが、ライフシフト社のメインテーマである人口減少と高齢化だ。そしてしぶとく居座り続ける村社会の残像が、ただでさえ減っている若者離れをますます助長してしまう。
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- 下請けからの離脱という“知の跳躍”
- ヒルトップシステム──暗黙知の形式知化の極意
- メーカーは“人づくり業”である
- 人間の尊厳を取り戻す“よい仕事”とは何か
- 日本の未来を支えるイノベーターシップ
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