青銀共創!(1)
新しい知識創造プロセス
前回は、ミドルシニアたちが80歳までたとえフルタイムでなくても、なにがしかの腕を振るって、人口減少社会の日本を支えていこうではないか、ということについて述べました。そのための一つのポイントは職場で培った経験知・身体知を磨き、そこに標準化・改善のスキル、コスト管理、マネジメントスキルやさらには最新の生成AI活用力などもアドオンして、現場の肉体労働の生産性や付加価値を向上させられる「アドバンスト・エッセンシャルワーカー」ではないか、ということでした。
その際にも少し触れましたが、その前提はミドル・シニアがベテランとしていつまでも現役として、若手と共創していくことです。また、若手と同じグラウンドにいるのではなく、ベテランらしい立ち位置で貢献することで共創することです。こうした棲み分けを私は「青銀共創」と言っています。もともとは、台湾のデジタル担当大臣であったオードリー・タン氏の言葉です。ヤング=青とミドル・シニア=シルバー(銀)がともに知恵を出し合いよりよい社会づくりを目指しました。これは人口減少と高齢化に直面する日本でこそ重要な概念であり、知識創造の観点からは、すべての世代がそれぞれの持ち味を活かして、知を創造する土壌を創ることと捉えられ、まさに企業内はもとより国を挙げての知識創造プロセスという風に置き換えられます。